瑕疵保険って何?意外と知られない中古住宅のお得な購入方法も解説

  • Update: 2021-04-24
瑕疵保険って何?意外と知られない中古住宅のお得な購入方法も解説

住宅の売買や建築工事にはリスクが伴うため、様々なリスクヘッジをする必要があります。中でも「瑕疵保険」は広く利用されている代表的な制度です。

本記事では、瑕疵保険についての基礎知識を解説。その他、意外と知られていないホームインスペクション(住宅診断)との併用で、長期的な建築リスクを最大限に軽減しながら費用もお得に中古住宅を購入する方法なども解説しますので、ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。

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そもそも瑕疵とは?

瑕疵の一般的な意味合いは「本来あるべき重大な機能・品質・性能・状態が備わっていないこと」です。これを住宅に置き換えると、取引の目的である土地・建物に 建築基準法で定められた基準について何らかの重大な欠陥があることとなります(「瑕疵担保責任」の問題)。

瑕疵保険とは、住宅購入の際に、このような欠陥があった際に、その構造・防水の目に見えない不具合(瑕疵)によって生じた損害について保険金が支払われる仕組みであり、中古住宅の検査と保証がセットになった保険制度のことです。

新築、リフォーム、などいろいろな瑕疵保険がある

住宅の瑕疵保険は大きく分けて、新築・リフォーム・中古と3種類あります。

<新築住宅の保険>

新築住宅の瑕疵保険は、正式には「住宅瑕疵担保責任保険」と言い、新築住宅の住宅事業者が保険法人との間で保険契約を締結するものです。

<リフォームの保険>

リフォーム瑕疵保険は、リフォーム工事を実施した部分が対象です。万が一、リフォーム工事に瑕疵が見つかった場合の補修費用をまかなうことができます。

<中古住宅の保険>

中古の瑕疵保険は、正式には「既存住宅売買瑕疵保険」と言い、さらに「①売主が宅建業者の場合」と「②売主が宅建業者以外(個人間売買)の場合」とで種類が分かれます。
中古住宅の場合は、6割以上が売主は個人の方になるため②の保険適用が多くなっています。

そもそもなぜ瑕疵保険が必要?

2000年に施行された住宅品質確保促進法(以下「品確法」)では、新築住宅の一部に欠陥があった場合、売主様に10年間の瑕疵保険責任を強制されていました。

しかし、2005年の耐震偽装事件(姉歯事件)では、倒産した企業から保障費用が負担されずに消費者がダメージを負うことが発生し、社会的に大きな話題になりました。

これを受け2007年に国が、供給戸数に応じた保証金を供託するか、もしくは保険に加入することのいずれかを義務としました。こうして瑕疵担保責任を負う側の業者が倒産などで資力がなくなった場合のバックボーンとして、消費者を保護し保証を行う仕組みが誕生したのです。

保証期間や保障費用は?

費用、保障期間は?

<新築のケース>

前提として、新築住宅の場合は「中古・リフォーム」と異なり、建築品質がある程度担保されているものとして加入が義務付けられています。

検査は引渡し前に事前にされ、保証されている箇所は「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」についてとなり、保証期間は10年間です。

<中古のケース>

既存住宅の瑕疵保険は、宅建業者(不動産屋など)または検査をおこなう事業者が加入します。「建物や設備の検査+補償」のセットで提供され、新築と違い加入は任意です。

保証箇所は「構造耐力上主要な部分」や「雨水の浸入を防止する部分」に加え、特約で「給排水管」や「引渡前リフォーム」も付加できます。

中古住宅の場合の保証期間は、保険対象住宅の引渡しの日から起算して1年または5年となります。
※区分所有された共同住宅の場合は、各々の住戸の引渡しの日から起算して1年または5年となります。

保証金額は500万円または1,000万円です。
※保険期間5年の場合の保険金額は1,000万円のみです。

期間・費用

※検査事業者が被保険者となる場合は、事業者ごとに検査料金が変わりますので、事業者に直接おたずねください。

「住宅ローン減税」に瑕疵保険の適用は不要になったが…

住宅ローン減税

住宅ローン減税(控除)とは、住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、住宅ローンの毎年の支払い金額を最大10年間、税金から差し引いてもらえる国が制定している制度ですが、意外にも新築ではなく中古住宅にも利用できることを知っている人は多くないようです。

※住宅ローン減税(控除)について詳しくはこちら

実は昨年2021年までは、住宅ローン控除は瑕疵保険の適用など、一定の築年数を下回らなければ適用されませんでした。しかし、今年2022年よりこの要件が緩和され、「1982年(昭和57年)以降に建築された住宅=新耐震基準適合住宅」であれば、住宅ローン減税適用を受けられることになり、住宅ローン減税適用のための瑕疵保険の利用は不要になりました。

<※2021年までの要件>
広さや用途、所得などの条件を満たした上で「木造住宅は築20年以内、耐火構造(いわゆる鉄筋コンクリート造りのマンション)は築25年以内」といった要件に加え、築20年や25年を超えた中古住宅では

●既存住宅売買瑕疵保険に加入する
●耐震基準適合証明書を取得する
●住宅性能評価書(耐震等級1以上)を取得する

上記のいずれかを満たすと、築年数の条件を満たさない中古住宅でも、住宅ローン控除を利用することができました。

とはいえ、住宅ローン減税で浮いた費用は「瑕疵保険」に回すのが得策

今回の要件変更に伴い、仲介側からすると今まで住宅ローン減税適用をウリのひとつにできなかった「昭和57年以降に建築された住宅(=旧耐震基準)」が、「住宅ローン減税に適用している=国もお墨付きの安心な住宅」といったウリ文句で、築古物件の営業増加が見込まれます。

築40年の住宅も住宅ローン減税を使えるようになるわけですが、40年も経っていると、メンテナンスが行き届いた良い建物もあれば、雨漏りしているような建物まで、住宅のコンディションはバラバラです。そのため、このような物件購入を検討される際には、住宅ローン減税でお得になった分(※中古住宅の場合は上限140万円)を、瑕疵保険の保険料に回して利用するのがおすすめです。

中古住宅の場合、新築に比べると当然事故(※雨漏りなどの欠陥)率は高く、事故が集中する初年度では検査物件全体の約5%にのぼります。

また、万が一事故が起きた際の補修費用は一般的に200~700万円程度(例:屋根からの雨漏り:最大400万)かかることが多く、これらの数値から考えても、住宅ローン減税が適応できる物件においての瑕疵保険活用の必要性は非常に大きいと言えるでしょう。

事故発生率と不具合発生率データ

出典:㈱日本住宅保証検査機構「既存住宅取引における住宅かし保険の活用と安全確保に向けた商品の普及」2015

ホームインスペクションの利用で、さらに「お得で効果的」な対策が可能

新築一戸建てホームインスペクション・内覧会

ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場からまた専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行うサービスです。

元々は、住宅ローン減税適用のための瑕疵保険適合検査を検討されている方に、瑕疵保険の調査範囲を含み、かつ一般の方では補修判別が難しい傷・汚れのチェックや床下・屋根裏など、目に見えない不具合などもプロの目でしっかりと確認できる本サービスをおすすめしていました。

ホームインスペクションの検査範囲

2022年から、住宅ローン減税適用のために、瑕疵保険適合は不要になったとはいえ、中古物件は元々欠陥や不具合が多く、千葉大学の研究のデータによると、新築時の段階でおよそ30~40%補修を検討すべき箇所が存在(経年により発生率は上昇し、築10年以上の物件は約60%)します。インスペクションご利用で、よくある雨漏りの可能性の有無、設備機器の不具合はもちろん、建物の傾きチェックなど、居住・売買時のリスクにつながりやすい箇所の劣化状態を、物件価格の約0.2%でリスクヘッジできるため、ぜひ一度検討をしていただくことをおすすめいたします。

中古住宅の売買時に利用できるホームインスペクションは、実に100項目以上にものぼる点検を行います。

[ 調査シート例 ]

[ 調査シート例 ]

目に見える範囲はもちろん、専門の機材などを使って目に見えない範囲でどのようなことが起こっていそうか、いつ、どこに、どれくらいの修繕費用がかかりそうかなど、買って大丈夫そうかだけでなく、買った後に中長期的にどのようなことに注意すればよいか、などをホームインスペクターがアドバイスをします。

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瑕疵保険の条件と対象範囲について

瑕疵保険に入るためには、保険の建物検査に「合格」する必要があります。 瑕疵保険に加入できるという前提で、契約を進めたのちに、検索結果が悪く保険に入れない場合は後々の資金計画に大きな問題が生じるため注意が必要です。

最終的には、保険会社の判断になり事前に100%正しく判断できるわけではありませんが、ある程度は判断できる基準というものがあります。

<対象となる住宅>

●人が居住したことがあること

●「木造住宅」または階数が地階を含めて3階以下、かつ1住棟の延床面積が500m2未満の「RC造」「SRC造」「鉄骨造」

●昭和56年6月1日以降に建築確認を受けていること
※改修工事中または引き渡し前に改修工事を予定している場合は、 図面・仕様書等改修工事がわかる書面が必要です。

●床下・屋根裏(小屋裏)点検口があり、脚立などを用いて頭を内部に入れられること 新耐震基準を満たしていること 売主が不動産業者(宅地建物取引業者)ではない住宅

<加入が難しい住宅>

●雨漏りしている建物(補修をしなければ加入はできません)

●傾いている建物

●深刻な日々がある建物

このように保険に加入できないタイプを事前に知っておくことで、 物件選びの手間を省くことができます。

<瑕疵の対象範囲について>

<新築の場合>

新築住宅瑕疵保険の適応範囲

【引用元】株式会社住宅あんしん保障

<中古の場合>

中古住宅の保証対象部分

【引用元】国土交通省・まんがでわかる「住宅かし担保履行法」

瑕疵保険適用における注意点

加入には事前の検査が必要

先述したとおり、瑕疵保険を利用するためには検査事業者による検査に合格する必要があります。もしクリアしなかった場合は、不合格箇所の補修後に再検査を受けることが可能です。

再検査で合格すれば、瑕疵保険に適合することができます。 検査を一発で合格できればよいのですが、残念ながらそうもいきません。

多くの中古住宅で検査の結果不合格箇所がみつかり、補修をして再検査を受けることになります。一発で合格する中古住宅は築年数が浅かったり、リフォーム直後など限られた条件の建物でしょう。 このように、中古住宅は「劣化していて当たり前」で、多くの方が「いつ・どこに・どれくらいの補修が必要なのか」「あと何年くらい住めるのか」などの不安を抱えています。このような悩みに答えてくれるのがホームインスペクションの存在です。

 

すべてのカバーをしてくれるわけではない

瑕疵保険を利用すると、引き渡し後に「構造耐力上主要な部分」「雨水の浸入を防止する部分」「給排水管路(オプション)」で不具合が発覚したときのみ、保険金を補修費用にあてることができます。

例えば、入居後に雨漏りが発覚した、住宅内またはその敷地内に設置された給水管などで水漏れをした、などは補償されます。 しかし、すべての不具合や欠陥をカバーしてくれるわけではありません。構造に関係のない床鳴りや結露による腐食、構造と関係のないひび割れ等は補償対象外です。

『さくら事務所』のホームインスペクションを是非ご活用ください

瑕疵保険には複数の種類や条件があり、これらを利用することで、安心して中古住宅の売買を行うことができることがご理解いただけたかと思います。

また、ホームインスペクションと瑕疵保険の検査を同時にすることで、住宅ローン控除の利用だけでなく、建物のコンディションを知り売買のリスクを大きく減らしたり、短期的・中長期的な注意点などを知ることができ、お得であることをご理解いただけたかと思います。

本記事をご紹介した「さくら事務所」のホームインスペクションでは、費用に既存住宅売買瑕疵保険の検査費用も含まれています(※中古一戸建てのみ、中古マンションは別途費用が発生します)。 月々遅くな費用で長期での安心を買うため、ぜひホームインスペクション・既存住宅売買瑕疵保険を活用してみてください。