「インスペクションって何?」
「どんな役に立つの?」
「そもそもインスペクションって必要なの?」
この記事を読んでいる人の中には上記のように感じている人もいるのではないでしょうか?
インスペクションとは検査、調査などの意味を持ちます。住宅業界においては建物を調査し、施工上の不具合や劣化部位を見つけ出すのが目的です。
インスペクションは欧米では多くの取引で活用されており、日本でも近年注目されています。
とはいえインスペクションについて理解せず依頼してしまうと、ベストな依頼タイミングを逃してしまったり、業者選びで後悔してしまったりすることも。
そこでこの記事では、
- 不動産におけるインスペクションとは
- インスペクションの必要性
- インスペクションを行うメリット
- インスペクションの費用相場
- インスペクションの依頼で後悔しないためのポイント
- インスペクション依頼の流れ
について解説します。
ぜひ最後までお読みください。
そもそもインスペクションとは?
欧米では住宅取引全体の70~90%の割合で行われ、現在、日本でも広く知られるようになったインスペクションですが、名前を聞いたことはあっても、具体的な内容まで理解できていない人もまだ多くいるようです。ここではインスペクションの基本情報を解説いたします。
インスペクションはどういう意味?
インスペクション「inspection」とは、直訳すると「検査」や「点検」などの意味があります。よって、住宅売買におけるインスペクションとは、建物の検査や点検を行うことを意味しています。
そして、住宅で一般的に行われるインスペクションは、建物の劣化状況や不具合の有無など、専門家が客観的な視点から検査を行い、補修が必要な箇所などの現況を把握するというものです。
インスペクションには、中古住宅のみを対象に国の基準に基づいて実施される「建物状況調査」と、新築・中古を問わず住宅全般を対象とした「ホームインスペクション(住宅診断)」があります。
「建物状況調査」(既存住宅状況調査)は中古住宅の状況を把握するために、2018年4月施行の宅建業法改正で国が定めた既存(中古)住宅の調査です。建物状況調査は国が登録した講習を修了した建築士が実施します。
一方、「ホームインスペクション(住宅診断)」は、国土交通省の「既存住宅インスペクション・ガイドライン」を元に各調査会社が新築やリフォームにも実施している住宅調査です。
(参考)建物状況調査(検査)とは?ホームインスペクションとは何が違うのか?
いずれも専門知識を持った建築士が調査してくれるものの、調査範囲や項目などに違いが見られます。建物状況調査の調査項目はおおよそ40程度に対し、さくら事務所のホームインスペクションは、廊下や水回りを含む全居室を対象にして、建物状況調査の内容を全て含む、全100項目以上の調査を行っています。
内容については「1分でわかる!さくら事務所の中古一戸建てホームインスペクション (住宅診断)」でご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
不動産取引に安心を得るため実施される
不動産売買におけるインスペクションの役割とは、不動産購入時の不具合のリスクを取り除いて安心を得ること、そして、取引の円滑化を図ることが重要な点としてあげられます。
住宅の売買では、売主と買主の双方にとって一定のリスクがともないます。例えば、引き渡し後に不具合や欠陥が見つかった場合、大きなトラブルになる可能性があります。
しかし、このような不具合や欠陥を事前に把握しておけば、トラブルに発展することは防げるでしょう。つまり、インスペクションの結果を共有することで、売主と買主の双方の安心材料となり、取引もスムーズに進みやすくなるというわけです。
インスペクションは義務ではない
2018(平成30)年4月施行の宅地建物取引業法改正により、宅建業者に以下の3つの義務が課されました。
- 媒介契約締結時:インスペクション(建物状況調査)業者のあっせんの可否を告知し、依頼者の意向に応じてあっせんする
- 重要事項説明時:インスペクションの結果を買主に説明する
- 売買契約締結時:建物の状態を売主と買主が相互に確認し、その内容を双方に書面で交付する
(参考)国土交通省|「宅地建物取引業法の一部を改正する法律」 (平成28年6月3日公布)概要
宅建業者とは一般的に不動産業者を指し、個人の売主や買主に上記のような義務は課されません。つまりインスペクションの実施は任意で、売主や買主の判断に委ねられていることになります。しかし住宅売買の際にインスペクションを実施しておくと、瑕疵の責任の所在が明らかになり、契約後のトラブルが軽減されるため、売主も買主も安心して取引ができるでしょう。
建物取引業法改正によりインスペクションの需要は増加
2018年4月に「宅地建物取引業法」の改正案が施行されたのを機に、中古住宅取引の際にインスペクションの説明が義務化されたことは、先にご説明したとおりです。 具体的には媒介契約時、売買契約前の重要事項説明時などにおいて、その建物がインスペクションを受けた履歴があるか?今後実施する意向はあるか?が確認されるというものです。 インスペクションの実施が義務化されたわけではありませんが、これまでインスペクションという言葉、サービスそのものをご存じなかった方の耳にも、手続きの中で自然と入るようになったのです。
さらに2020年4月には民法の「瑕疵担保責任」が「契約不適合責任」へ改正され、欠陥や不具合に気が付かないまま売買した住宅について、売主側の責任がより重くなりました。 このような背景から、インスペクションの需要は今後も右肩上がりに増加していくとされています。
インスペクションが必要といえる2つの理由
ここからは、インスペクションが必要といえる以下のふたつの理由について、ホームインスペクターが解説します。法律が改正されたことで、インスペクションを依頼する人が増えた今だからこそ、必要性をしっかり理解しておきましょう。
- プロの目で不具合をチェックしてもらえる
- 調査結果を元に対処方法をアドバイスしてくれる
それぞれについて解説します。
プロの目で不具合をチェックしてもらえる
インスペクションを行なう最大のメリットは、住宅の専門家に不具合のチェックをしてもらえる点です。
たとえば、さくら事務所のホームインスペクションでは、専属のホームインスペクター(住宅診断士)が自社独自の100以上の調査項目を活用し、廊下や水まわりを含む、すべての居室を調査いたします。このような専門的な評価は、不動産を購入する前の安心感につながり、かつ将来的な修繕コストの予測も可能にするのです。
弊社のホームインスペクションで実際に発見した、代表的な不具合例は以下の通りです。
- 建物の傾き
- 排気ダクトの接続不良
- 水漏れ
- 給気口のはずれ、施工間違い
住宅を購入する際には、インスペクションを行うことで、一般の人では気づけないような不具合を見つけられます。
調査結果を元に対処方法をアドバイスしてくれる
インスペクションを行うことで、専門家による詳細な調査結果が得られるうえ、適切な対処方法のアドバイスが受けられます。
たとえば建物の基礎にひび割れが見つかった場合、インスペクションでアドバイスできる点は以下の通りです。
- ひび割れの原因や深刻度
- 修理の必要性や方法
- 修理にかかるおおよその費用
住宅を購入する前に詳しく調査し、建物の状態を知ることは、物件の購入決定や修繕計画を立てる際に有効です。インスペクションによって明らかにされた問題点とその対処方法を知ることで、将来的なリスクや予期せぬ出費を防ぐことが可能になります。
インスペクションを実施するメリットとは?
インスペクションを実施するメリットは、売主・買主ともにあります。ここでは、どのようなメリットがあるのかを詳しく見ていきましょう。
不動産を売る側(売主)のメリット
不動産を売る側(売主)のメリットは、主に以下の2つです。
- 物件をスムーズ・高値で売却できる確率が上がる
- 引き渡し後にトラブル発生のリスクを下げられる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
物件をスムーズ・高値で売却できる確率が上がる
インスペクションを行っておくと、物件をスムーズかつ高値で売却できる確率が上がります。インスペクションによって不具合の有無や瑕疵の責任の範囲が明らかにされていれば、買主は安心して物件の購入を決断できるため、スムーズに取引できるでしょう。また、検査基準に適合していれば買主が安心して購入できるため、高値で売り出しても取引してもらいやすくなります。
つまり「インスペクション付き物件」として販売することで、取引を有利に進められます。
引き渡し後にトラブル発生のリスクを下げられる
売主はインスペクションを行うことで、引き渡し後のトラブルが軽減できます。具体的なトラブル内容を挙げるとすると、引き渡し後に雨漏りや水漏れなどの不具合が発生して修繕費を買主から請求されるなどです。
売却する前に修繕の必要な箇所や不具合の状態などを把握しておけば、想定外の出費が発生する可能性を抑えられます。また、買主に物件の状態を説明したうえで取引するため、引き渡し後にクレームが入る心配もありません。引き渡し後に思わぬトラブルが発生しないように、事前にインスペクションを行っておくと安心です。
住宅を買う際(買主)のメリット
インスペクションを実施する買主のメリットは、おもに以下のことが挙げられます。
- 安心して取引を進められる
- 購入後のコスト管理がしやすい
安心して取引を進められる
買主にとって、インスペクションを実施する最大のメリットといえば、取引における安心を担保できることでしょう。なぜなら、入居後に不具合や欠陥が見つかることはリスクでしかなく、その不安を事前に解消できれば円滑に取引を進められるためです。
また、中古住宅の保証には、統一された基準がありません。そのため、契約によっては、トラブルが発生しても十分な保証が得られない可能性があります。しかし、契約前にインスペクションを実施し、問題点を洗い出しておくと、トラブルを回避することも可能になります。
よって、専門家が第三者の立場から行う検査により、潜んでいるリスクを把握できることが、安心で安全な取引につながるのです。
購入後のコスト管理がしやすい
インスペクションを実施しておくと、購入後に必要な予算がある程度わかることから、コスト管理がしやすくなります。
というのも、インスペクションの実施によって建物のコンディションを把握できるようになり、機能が不足する部分や修繕が必要な部分が顕在化できるためです。また、劣化状況を知ることで、その後のメンテナンスも計画しやすくなります。
購入費だけでなく、その後に必要なコストプランを立てられることは、インスペクションを実施した物件ならではの優位性といえるでしょう。
このほか、補助金制度を利用して、インスペクションを実施できるケースがある点でも注目です。例えば、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」は、インスペクションの実施が条件のひとつとなっており、住宅所有者は最大で250万円(令和5年度)の補助金が受けることができます。
売主・買主で共通するメリット
インスペクションを実施する、売主と買主のどちらにも共通するメリットは、おもに以下のことが挙げられます。
瑕疵保証保険が利用できる
中古住宅ではインスペクションの実施により検査に適合すると、瑕疵保険(既存住宅瑕疵保証保険)を利用することが可能となります。
瑕疵保険とは、取引後の瑕疵(重大な不具合や欠陥など)によって生じた損害について、保険金が支払われる保険制度のことです。取引後に発生する瑕疵は、売主や買主のいずれの立場にとってもリスクとなり得ます。
しかし、瑕疵保険に加入しておくことで、その補修にかかった費用を保険金で賄えるようになるのです。保険の対象となる瑕疵には一定の範囲が定められているものの、経済的なリスクに備えられることは大きな安心材料となります。
そして、この瑕疵保険へ加入するには、事前検査としてインスペクションを受け、必要とされる基準に合格しなくてはなりません。
つまり、インスペクションの実施によりコンディションを把握できるうえ、さらに瑕疵保険への加入で経済的な備えができるという、より安全な取引が可能となるわけです。
インスペクションの種類・実施内容
住宅売買において、非常にメリットの多いインスペクションですが、具体的にどのような内容で行われるのでしょうか?ここではさくら事務所が提供しているサービスを例に、ホームインスペクション(住宅診断)の種類と内容について、ご紹介いたします。
インスペクションの種類
さくら事務所が提供しているインスペクションは、戸建とマンションのカテゴリごとに4つずつ、合計8種類があります。
具体的なサービス内容は、以下の通りです。
- 新築工事中インスペクション(第三者検査)
- 新築一戸建てホームインスペクション(完成検査・内覧会立会い)
- 中古一戸建てホームインスペクション
- 自宅一戸建てホームインスペクション
- 新築マンション内覧会立会い(同行)
- マンション管理インスペクション
- 中古マンションホームインスペクション
- 自宅マンションホームインスペクション
それぞれ詳しく解説します。
新築工事中ホームインスペクション(第三者検査)
新築住宅の建設中に行われる、専門的な検査サービスです。新築工事中ホームインスペクションでは、建物の基礎、構造、防水、断熱など、工事途中の現場でしか確認することのできない重要な箇所をチェックし、欠陥住宅や手抜き工事を未然に防ぎます。
発見された不具合はどの程度影響があるものなのか、完全中立(第三者)の視点でフラットに説明を受けられます。
新築一戸建てホームインスペクション(完成検査・内覧会立会い)
新築一戸建て(建売・分譲)住宅の購入や引渡しに際して、施工状況について3時間程じっくり時間をかけて検査します。建物の傾きや水漏れ、基礎の状態、見にくい床下や屋根裏の構造など、新築時の施工状況の不具合について調査・診断するサービスです。
中古一戸建てホームインスペクション
中古住宅の売買に際し、雨漏りやシロアリ被害、建物の傾きなどの劣化状況や、施工状況の不具合などについて、詳しく調査・診断するサービスです。フラット35や瑕疵保険の適合検査(木造のみ)も無料で含まれています。
自宅一戸建てホームインスペクション
居住中の自宅の一戸建ての調査を行うサービスです。主に非破壊の目視調査を行い、確認できる範囲で建物のコンディションを把握・推測できます。また、建物の修繕コストを抑え、寿命を伸ばすためのアドバイスをします。これにより、不具合箇所の修繕が計画的に立てられます。
新築マンション内覧会立会い(同行)
新築マンションの内覧会(完成お披露目会)に、マンションに精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、ご契約物件について専門的に立会い・同行を行うサービスです。修繕の方法などについて調査後に無料のアフターフォローでアドバイスを受けることができます。
マンション管理インスペクション
中古マンション購入を検討中の方向けのサービスです。中古マンション購入にあたり、重要なポイントとなる管理状況について、頂いた資料をもとに、マンション管理コンサルタントが第三者の視点から管理状況をチェックするサービスです。3日程度を目安に結果を知ることができます。修繕計画や修繕積立状況など、マンションの管理運営が健全に行われているかがわかるため、中古マンションの購入についての判断材料になります。
中古マンションホームインスペクション
中古マンション購入を検討中の方向けのサービスで、マンションに精通したホームインスペクターが、主に目視による非破壊調査を行い、可能な範囲で建物の劣化状況や不具合の有無など専有部を詳しく調査します。また、建物状況調査の対応、瑕疵保険の適合検査同時実施などが可能です。これにより、売買の際のリスクを軽減しつつ取引を進めることが可能となります。
自宅マンションホームインスペクション
自宅マンションのリフォーム・リノベーションや売却を検討している方に向けたサービスです。主に目視による非破壊検査でチェックし、可能な範囲で劣化状況や不具合の有無など専有部を詳しく調査します。これにより自宅マンションの適正な価値を判断する材料にできます。
費用相場は「物件の種類」「検査の種類」によって変わる
ホームインスペクションの費用の相場は、「物件の種類」「検査の種類」によって変わってきます。住宅の規模にもよりますが、マンションよりも一戸建ての方が検査箇所が多いため費用もかかることが一般的です。
一戸建ての場合、基本検査(主に目視による非破壊調査)が「目視でできる調査(基本検査)」なら5~7万円、「目視では判断できない調査(詳細検査)」や報告書などを含めると6~12万円が相場です。建築工事途中から各工程の施工状況をチェックする基本コースは、検査回数にもよりますが30万円程度からとなります。
さくら事務所が提供している8種類のホームインスペクションの概要と価格は以下のとおりです。
サービス名 |
サービス概要 |
価格 |
新築工事中ホームインスペクション(第三者検査) |
新築一戸建ての工事途中の現場でしか確認できない、基礎や構造、断熱といった施工状況を検査します |
単発プラン ¥65,000~ (税込¥71,500~) コース(5項目から) ¥307,500~(税込¥338,250~) |
新築一戸建てホームインスペクション(完成検査・内覧会立会い) |
完成した新築一戸建ての施工状況について、建物の傾き測定や水漏れチェックなどを行います |
¥60,000~ (税込¥66,000~) |
中古一戸建てホームインスペクション |
中古一戸建ての劣化状況や不具合の有無など建物を詳しく調査します |
¥60,000~ (税込¥66,000~) |
自宅一戸建てホームインスペクション |
ご自宅の建物を診断し、建物の修繕コストを抑え寿命を伸ばすアドバイスをします |
¥60,000~ (税込¥66,000~) |
新築マンション内覧会立会い(同行) |
新築マンションを契約後・引渡し前の方に向け、入居前にご契約住戸を調査します |
¥45,000~ (税込¥49,500~) |
中古マンションホームインスペクション |
中古マンションの劣化状況や不具合の有無など専有部を詳しく調査します |
¥45,000~ (税込¥49,500~) |
自宅マンションホームインスペクション |
マンションにお住まいの方に向け、住戸を診断します。 維持費を抑え、長期使用を可能にするためにアドバイスします |
¥45,000~ (税込¥49,500~) |
マンション管理インスペクション |
マンション管理士がご検討中のマンションの管理状況を調査します |
¥30,000~ (税込¥33,000~) |
一定規模以上になると、割増料金がかかるケースがあるため、図面など床面積がわかる資料を用意して事前に見積もりを依頼するとよいでしょう。
また、補助金制度を利用して、インスペクションを実施できるケースがある点でも注目です。例えば、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」は、インスペクションの実施が条件のひとつとなっており、住宅所有者は最大で250万円(令和5年度)の補助金が受けることができます。
実施する検査項目は、一般的に40項目以上
インスペクションの検査項目は、40項目以上と幅広く行われます。
建物状況調査では検査項目が、国土交通省の「既存住宅インスペクション・ガイドライン」で定められており、以下の3つの劣化事象が検査の対象となっています。
- 構造耐力上の安全性に問題のある可能性が高いもの
- 雨漏り・水漏れが発生している、又は発生する可能性が高いもの
- 設備配管に日常生活上支障のある劣化等が生じているもの
このほか、ガイドラインには、具体的な検査対象項目(戸建て、共同住宅)も掲載されています。
以上のような住宅建物の主要な部分の劣化の状態について、目視を中心とし、計測や触診、打診など非破壊による調査が行われます。
なお、【さくら事務所のホームインスペクション】の場合、調査項目は100以上/廊下や水まわりを含む全居室が調査対象となります。
内容については「1分でわかる!さくら事務所の中古一戸建てホームインスペクション (住宅診断)」でご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
インスペクションの依頼から実施までの流れ
ここからは、インスペクションの依頼から実施までの流れを、物件の種類ごとに詳しく解説します。以下3つの物件の種類によって、インスペクションを依頼するタイミングや依頼の流れは異なります。
- 注文住宅の場合
- 新築住宅の場合
- 中古住宅の場合
それぞれのケースにおいてインスペクションの利用を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
注文住宅の場合
注文住宅におけるインスペクションの流れは、以下の通りです。
- 注文住宅を建設する前にご依頼(ご相談)
- 見積もり
- 建築契約前の初期インスペクション
- 建築中の定期的な検査
注文住宅の着工前に、インスペクションの専門家に相談しましょう。この段階で実施する検査の範囲や見積もりを行います。そして契約をする前に、初期のインスペクションを行うことをおすすめします。これにより、建築計画の初期段階での問題点や懸念事項を特定できます。建設工程に沿って、工程ごとに検査を行います。
建築工事中のインスペクションを依頼するベストタイミングは、建築計画が始まる前と、建築途中の各重要段階です。これにより、建設工程での検査回数は、予算と依頼するタイミングによりますが、検査回数が多いほど建築の品質を確保し、最終的な完成品の安全性と信頼性を高めることができます。
新築住宅の場合
新築住宅におけるインスペクションの流れは、以下の通りです。
- 新築住宅の購入を検討し始めた段階でのご依頼(ご相談)
- 新築住宅を契約する前に申込
- インスペクションの実施
- 報告書の提出と購入の検討
新築住宅の購入を検討し始めたら、同時にさくら事務所などホームインスペクションのサービスを提供している業者と相談し、見積もりを取ります。そしてホームインスペクターが物件を訪れ、建物の傾きや水漏れ、基礎の状態、見にくい床下や屋根裏の構造など、新築時の施工不良のチェックを行います。
この段階で、潜在的な問題や修繕が必要な箇所を特定します。インスペクションが完了したら、詳細な報告書が提出される(※オプション)ため、この報告書を基に、購入の決定や修繕の必要性を検討できるのです。
つまり新築住宅購入におけるホームインスペクションの最適なタイミングは、住宅購入の契約を結ぶ前、となります。ただし、契約完了後、早い段階であれば調査を入れてもインスペクションは有効活用できます。早い段階にインスペクションを入れることで、補修する箇所を明確にし、建築会社に補修してもらってから引き渡しを受ける事が出来るためです。
中古住宅の場合
中古住宅におけるインスペクションの流れは、以下の通りです。
- 中古住宅の購入を検討し始めた段階でのご依頼(ご相談)
- 中古住宅の購入を申し込んだ後、契約する前に申込
- インスペクションの実施
- 報告書の提出と購入の検討
中古住宅の購入にあたって、良い物件が見つかったら、ホームインスペクションのサービスを提供している業者に相談し、見積もりを取りましょう。中古住宅におけるホームインスペクションは、購入を申し込んだ後、契約する前に行うのがベストです。
インスペクションが完了した後、詳細な報告書が提出されるので、この報告を基に、購入の最終決定や、必要な修繕の計画を立てることが可能です。
よって中古住宅の場合、ホームインスペクションを行うタイミングは購入申し込み後から契約前までの間です。
インスペクションの依頼で後悔しないためのポイント4選
インスペクションを依頼する際のポイントは、以下のとおりです。
- 実績のある会社かどうか
- 対応に信頼感が持てるか
- 調査項目を事前に確認する
- 不動産会社からの紹介でも見極めは必要
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
実績のある会社かどうか
インスペクションを依頼する場合、実績のある会社かどうかを確認しておきましょう。インスペクションに対応している会社は現状多くありません。そのため、実績のある会社に依頼するほうが安心といえるでしょう。
また、インスペクションといっても、住宅の種類や工法によってチェックすべき箇所は異なります。資格よりも実績や経験が豊富な会社を選ぶことで、適切な診断を行ってもらえます。
対応に信頼感が持てるか
インスペクションを依頼する会社を選ぶときは、対応に信頼感があるかどうかもチェックしましょう。たとえ優秀なホームインスペクターに住宅をチェックしてもらえたとしても、売主や買主が現状を理解できなければ意味がありません。専門知識がない人でも、診断結果を把握できるように丁寧にわかりやすく説明してくれる会社を選ぶと、安心して任せられるでしょう。
調査項目を事前に確認する
インスペクションを依頼する前に、「どこをチェックするのか」「すべての箇所をチェックしてもらえるか」など、調査会社が実施する検査項目を確認しておくことも重要です。
とくに、大きな不具合が発生しやすい床下や小屋裏が、調査項目に含まれていると、トラブルのリスクを軽減できるでしょう。
不動産会社からの紹介でも見極めは必要
もし、不動産会社からインスペクション会社を紹介された場合は、その会社が「第三者性」や「中立性」を重視しているかを見極めておきましょう。
特に中古住宅を購入する際は「いつ」「どの箇所に」「どれくらいの修繕が必要か」などを詳しく報告してくれる会社を選ぶと、安心してスムーズな住宅売買ができるでしょう。
業界実績No.1「さくら事務所」のインスペクションについて
さくら事務所は1999年、いかなる金融機関・事業会社とも資本関係を持たない「中立・公正」な立場として、国内で初めて『個人向け不動産コンサルティングサービス』をスタートし、国内におけるインスペクションのパイオニア的活動を通じ、今では年間3,000件以上、累計69,000件以上(業界No.1)を超える方々にご利用いただくまでになり、非常にたくさんの方から有難い評価をいただいております。(※Google口コミ同業比較 No.1《2024年3月時点》)
さくら事務所が選ばれる理由について
① 不動産・建築あらゆる専門家がワンストップ対応
さくら事務所には、建築士であるホームインスペクター(住宅診断士)のほかに、不動産コンサルタントやマンション管理士など、専属の専門家が多数在籍。
住まい・不動産の心配ごとは、土地や建物、権利やコミュニティ形成などが複雑に絡み合うことも多いもの。そんなとき、ご利用者様が迷うことなく問題を解決できるよう、複数の専門家がワンストップでお役に立てる方法をご提案します。
② 徹底した第三者性・中立性
不動産取引先進国のアメリカでは、ホームインスペクターはリフォームや修繕工事の受注を禁止されていますが、それは、ホームインスペクターが工事の受注を目的に、建物の状態を正しく伝えない事案が多発したからです。
さくら事務所では、創業時からリフォームや修理、シロアリ駆除など、ホームインスペクションの次にある工事の引き受けや製品の販売などは一切行わない徹底的に第三者・中立性を保ったコンサルティングサービスを提供しております。
③ 国際規格の品質管理を継続(ISO9001)
さくら事務所では、2014年に品質マネジメントの国際規格「ISO9001」認証を取得。組織体制だけでなく、業務品質を改善し続けた結果、良質なサービスを継続的に提供する仕組みが客観的に認められました。また、個人向けインスペクションを提供している企業の中でISO取得は当社だけとなっております(2024年3月時点)。