マンションの停電に備え、知っておきたい7つのポイント

  • Update: 2021-02-25
マンションの停電に備え、知っておきたい7つのポイント

東日本大震災からもうすぐ10年。東北地方では地震と津波により多くの方が犠牲になりました。

大規模発電所の稼働が停止したことから電力供給力が著しく不足し、首都圏でも計画停電など電力使用を抑えるための措置が取られました。いかに日々の暮らしをエネルギーに頼っていたかを痛感させられた出来事でもありました。

現代の暮らしは電気なくしては成り立ちませんが、日々進化し最新の設備を備えるマンションでは尚、不便を強いられる可能性があります。

もしお住まいのマンションで停電になったら、どのような事態になるのでしょうか?

マンションに附属する設備によってもその影響は異なりますが、「停電時にマンションで何が起きるか?」をあらかじめ把握しておくことで、万が一のときに適切な行動をとることができるでしょう。

ここでは、さくら事務所のマンション管理士が、マンションでの停電時に起こりうることや日頃から確認しておきたいポイントについて解説します。

チェックリストはこちらからもダウンロードできます。

エレベーターの停止で「高層難民」「マンション内帰宅困難者」の発生も

マンションのエレベーターと停電マンションでの停電で多くの方がまず思い浮かべるのがエレベーターではないでしょうか?

エレベーターが使用できなくなると、マンション内での上下階の移動に大きく制限が出てきます。

特にタワーマンションなどでは、非常用エレベーターが稼働していればいいのですが、長期間の停電になると対応できない場合も考えられ、高層階の住戸に取り残される「高層難民」も出てくる可能性があります。

防災備蓄を行っているマンションも増えていますが、多くの場合1階や地階に設置されています。水や食料などの備蓄品が提供されても、エレベーターが止まっていれば高層階まで運び上げることは困難です。

近年では各フロアごとに災害備蓄しているマンションも見受けられます。備蓄品や支援物資は高層階・中層階・低層階とフロアで分けて配置しておくことも、管理組合で話し合うなど検討する必要があると思います。

また、マンションまでは帰りついたものの高層階の自宅住戸までたどり着けない・・・といったマンション内で帰宅困難者が発生するケースもあります。

エントランスやロビーなど1~2階の共用部分で一時的な避難ができるよう、毛布や水などのほかプライバシーを確保できるような備蓄を検討しておくのもおすすめです。

オートロックの自動ドアも停電時は作動しない、戸締りは念入りに

オートロックのマンション、停電したら?オートロックのマンションの場合、停電時には自動ドアも作動しなくなります。

いざというときパニックにならないよう、停電時にはどのような状態になるのか?(その場合どう対応すれば良いのか?)を知っておくことが大切です。

ドアや電気錠のシステムの種類にもよりますが、なんらかの方法で建物内に出入りする方法を考えておくことをおすすめします。

いずれにしても停電時、マンションのセキュリティが機能を失うため、大変無防備な状態になります。

停電時は防犯カメラも作動しません。各住戸の戸締りはしっかりしておきましょう。

給水方式によっては停電の影響で断水の可能性も

マンションの断水マンションの給水方法によっては、周辺エリアには断水の被害がなくても、停電によりそのマンション内の住戸だけが断水するケースもあります。

マンションの給水方式には、水道管から引き込まれた水を水槽に貯めて各住戸に供給する受水槽方式や、水道管の水の水圧を利用してそのまま住戸に給水する直圧直結方式、水道管からの水圧にポンプで加圧して上層階に供給する増圧直結式があります。

増圧直結方式により住戸に給水されている場合、増圧ポンプの力を必要とすることから、停電時にはポンプが動かず、各住戸への水の供給が難しくなります。

地域の断水や停電による影響はマンションの給水方式により大きく異なりますので、一度お住まいのマンションの給水方式についても確認しておくことをおすすめします。

停電時、マンション内の安否確認にも影響が?

マンションの災害時用名簿はペーパーで当然ですが、停電になればノートPCなどの充電されたPC以外使用できません。

災害による停電の場合に気を付けたいのが、「災害時用の居住者名簿」の保管状態です。

各住戸に災害時、救護や介護を要する方がいないかどうかを把握し、優先的にマンション内で救助を行うために、災害時用の居住者名簿を作成するマンションも増えてきています。

ですが、肝心の名簿が電子保管されている場合、停電時に活用することができません。

必ず、紙の状態で保管し、災害時に閲覧・活用できる状態にしておきましょう。

水害による停電の場合、機械式駐車場も要注意

マンションの水害時の停電で機械式駐車場は停電時には機械式駐車場も作動しなくなります。

駐車場入り口のシャッターが開閉不能になれば中に入ることも、車両を移動させることもできません。

災害時、機械式駐車場から車両を緊急に移動させるような必要があるのは、主に水害によるケースでしょう。

水害による停電の場合、車両の移動ができない場合には地階に駐車している車両は水没の可能性があります。

管理組合が加入している施設賠償保険では水災による車両の水没は保険の対象にならないため、万が一のことを考えて、任意保険の車両保険への加入も検討されるといいでしょう。

停電でも「非常用電源があるから大丈夫」?

マンションに非常用電源があれば大丈夫?「うちのマンションは自家発電装置があるので大丈夫」「非常用電源があるので大丈夫」という方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、非常用電源は災害時に非常用エレベーター・消防設備などの防災用設備を稼働させるためのものです。

各住戸での生活に使用する電力に使用はできませんので、ご注意ください。

また、東日本大震災以降、マンション管理組合でポータブル自家発電機などを備えているところもありますが、日ごろのメンテナンスや、使い方を知らないといざというときに使えないケースもあります。

購入するだけで安心せず、いざというときに使えるように日頃からしっかりメンテナンスをしておく必要があります。

停電時、マンション内は真っ暗になってしまうのか?

停電時、マンションの照明は?停電したら、住戸内はもちろん、共用廊下などもすぐに照明が落ちて真っ暗になってしまうのでしょうか?

建築基準法では一定以上の規模の建物の照明について、非常用照明の設置を義務付けています。

非常照明が設置されている場合には停電ですぐに真っ暗になるということはありませんが、停電が長期化すればもちろん内蔵の予備バッテリーも切れてしまいます。

住戸内の照明が落ちても共用部分は一定時間明るさを確保できます。いざというときにのために避難訓練などで非常照明の位置や停電時の実際の明るさについて体験しておくことをおすすめします。

(また、近年のマンションでは住戸内、例えばリビングダイニングなど、一か所のLED照明だけ非常時も一定期間使用が可能な非常用照明になっているというものもあります。)

まずはマンションについて知り、適切な備え・行動を

災害時や停電時、落ち着いて行動できるように、まずはお住まいのマンションの設備がどうなっているのかを日頃から確認し、把握しておくといいでしょう。

分譲マンションにお住まいの方は、防災マニュアルなどマンション全体としての災害時の備えについても確認しておくことをお勧めします。