中古住宅購入時の流れは?引渡しまでの期間や注意点も解説

  • Update: 2022-08-07
中古住宅購入時の流れは?引渡しまでの期間や注意点も解説

この記事はプロのホームインスペクターが監修しています

新たに住宅の購入を検討している人の中には、中古住宅を検討されている方も多いかと思います。

中古住宅を購入する場合、新築住宅とは異なる手順で手続きを進めていかなければなりませんが、初めて家を買う人にとっては、売買契約から引渡しや入居までの流れがどのようになっているのか?買主が何をすべきなのか?といったことについて、わからない点が多くて当然でしょう。

また、中古住宅はもともと施工不良や欠陥が多いことが特徴でもありますので、今回は購入時の流れや引き渡しまでの期間・注意点に加え、プロのホームインスペクター視点での注意点も加え解説をしていきますので、ぜひ参考にしていただけると幸いです。

中古一戸建てホームインスペクション(住宅診断)

中古住宅を購入する際の流れ

今後、中古住宅を購入する人は全体の流れを把握する必要があります。購入の一連の流れを理解しておくと、円滑に手続きを進めやすくなるでしょう。

以下に、中古住宅を購入する際の一連の流れを挙げています。

  • 中古住宅の情報収集をする
  • 気になった物件の内覧をする
  • 購入の申し込みをする
  • 重要事項説明を受けて売買契約の締結をする
  • 住宅ローンの契約をする
  • 決済をすませて引き渡し

中古住宅の購入を検討している方は、項目ごとに理解を深めましょう。

中古住宅の情報収集をする

中古住宅を購入する方は情報収集を行い、自らが購入したい物件を探します。なぜなら、多くの情報を集めることで、自らの条件や好みに合った住宅が見つかるからです。

例えば、中古住宅の情報収集をする場合、不動産会社の担当者に相談したり、自らがインターネットで調べたりします。また、中古住宅を探す際に予算、間取り・面積、内装、立地条件、築年数などを明確にし、優先順位をつけておくと条件に合った物件を見つけやすくなるでしょう。

中古住宅を購入する方はより多くの情報を集めるため、明確な条件や決めた上で不動産会社やインターネットで探してください。

気になった物件の内覧をする

中古住宅の情報を集めた方は、気になった物件の内覧をします。なぜなら、直接物件を部屋の間取りや日当たりの状況を把握できるからです。また、収集した情報に誤りがないのか確かめることもできます。

例えば、物件の部屋ごとの日当たりを確認したい場合、内覧することで現状を把握することが可能です。また、物件の前の交通量や周囲の音なども確認できます。時間帯によって、交通量等の周囲の環境が変化することもあるため、複数回の内覧をしてください。内覧の時間帯は、日中と夜などの各時間帯を内覧することが望ましいでしょう。

物件の内覧をする人は物件自体に加え、周囲の状況も把握してください。内覧する際は、売主が居住している可能性もあるため、不動産会社への確認をした上で実施しましょう。

購入の申し込みをする

購入したい中古住宅を決定した人は、不動産会社等の売主へ購入申請をします。なぜなら、売主に購入の意思を示さなければ、手続きに進められないからです。

例えば、不動産会社が仲介している場合は、直接購入する旨を伝えます。そして、不動産会社が用意した申請書等に希望価格や条件などを記載してください。

不動産会社は購入希望者の条件を売主に伝えもらい、確認を取ります。確認後、契約日や契約条件を調整した上で、商談に進んでいくのです。ただし、この時点では契約していない状態のため、購入希望を撤回することもできます。

気に入った中古住宅を見つけた人は、購入の申し込みをしてください。

住宅ローンの仮審査をする

中古住宅を購入する際に住宅ローンを組む予定の人は、事前にローン審査を受けることが多いです。なぜなら、不動産会社が購入希望者の支払い能力を確かめるからです。

例えば、住宅を購入する場合、不動産会社はローンの事前調査を行います。ローンの事前審査は、売買契約の際に金融機関がローンの利用を認めるのか、判断・提示するサービスです。ローンの事前審査の期間は、数日から1週間が目安になります。

住宅ローンを利用する方は、ローンの事前審査を受けるケースが多いことを理解しておきましょう。

重要事項説明を受けて売買契約の締結をする

中古住宅の購入希望者は、売買契約を結ぶ前に重要事項説明を受ける必要があります。重要事項説明は、宅地建物取引士から物件の情報や売買の条件などの説明をしてもらうことです。購入希望者は説明を受けることで、詳しい情報を知ることが可能です。

例えば、宅地建物取引士から気に入った物件の情報について説明を受けることで、納得した上で契約に進めます。説明を受けた後、相違がなければ売買契約を結ぶ手続きを行います。

売買契約においては、契約書の内容を買主と売主が確認した上で署名と捺印をする流れです。この際には、手付金を支払うため、事前に用意してください。

中古住宅を購入する人は、必ず重要事項説明を受けましょう。

住宅ローンの契約をする

審査では事前審査と同じく、購入希望者の支払い能力を確認します。住宅ローンの本審査は、1週間から2週間です。

住宅ローンの本審査を受ける場合、住民票・確定申告書・納税証明書・売買契約書などの必要書類を用意しなければなりません。また、住宅ローンを受ける場合には団体信用生命保険に加入するケースが多いです。

団体信用生命保険は、融資を受けた債務者がローンの返済中に亡くなったり、高度の障害を患ったりした場合に一般社団法人全国信用保証協会連合会が生命保険会社から受け取る保険で債務を弁済する制度のことです。

中古住宅の購入希望者は本審査を受けるとともに、団体使用生命保険への加入を検討しましょう。住宅ローンの承認を受けた人は、金融機関で住宅ローンの手続きを進めてください。

決済をすませて引き渡し

住宅ローンを融資された場合、買主は残金の決済をし、物件の引き渡しを行えるようにします。残金の決済に関しては、物件の引き渡しと同時に行われることが一般的です。また、高額な資金を振り込むため、銀行口座を使用されるケースが多いです。

決済が完了後、買主に住宅のカギが渡されると権利も移ります。そして、司法書士が法務局において、登記の手続きを行います。引き渡しの当日、それぞれの手続きを同時に進めるため、買主・司法書士や不動産会社と金融機関の担当者の各人が同じ場所に集まることも珍しくありません。

登記の手続きは1週間から2週間で完了し、司法書士から登記簿が送付されます。また、引き渡しの手続きが完了すると所有権が移転するため、引っ越しも可能になります。

中古住宅購入時の注意点

中古住宅を購入する場合は、上記で説明した流れで手続きを進めていきます。さらに、いくつかの注意点にも注目する必要があるでしょう。

以下に、中古住宅購入時の注意点を挙げています。

  • ホームインスペクションを受ける
  • 必要な金額をすべて計算する
  • 引渡しまでのスケジュールを明確にする
  • 耐震性能を確認する
  • 補助金・減税・控除の対象となるかを確認する

中古住宅を購入する際には注意点を把握した上で、手続きを進めていきましょう。

ホームインスペクション(住宅診断)を受ける

中古住宅の購入の際は、ホームインスペクションのご検討を!

さくら事務所では、中古住宅を購入する際にホームインスペクションを入れることを、皆様に強くお勧めしております。

理由として、過去にさくら事務所と千葉大学で共同で行った住宅欠陥における大規模研究で、新築時の段階でおよそ30~40%補修検討すべき箇所が存在(経年により発生率は上昇し、築10年以上の物件は約60%)していたことがわかってるからです。

ホームインスペクションとは、雨漏りやシロアリ被害、建物の傾きなどの劣化状況や、新築時の施工不良などについて、建物に精通した専門家のホームインスペクターが診断するサービスです。改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などの改修アドバイスまでサービスに含まれ、物件価格の約0.2%の費用追加でリスクヘッジができるため、ご利用の検討を強くおすすめしておりました。

中古住宅の場合、インスペクションを入れるベストなタイミングは『申込み後~契約前』となり、他の時点でも入れることは可能ですが、注意点も多いため、お急ぎの方はまずは一度お問合わせください。

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必要な金額をすべて計算する

中古住宅を購入する人の中で住宅ローンを利用する人は、事前に月々の返済金額や頭金などを計算しておきましょう。なぜなら、毎月ローンの返済をしなければならないからです。また、引っ越しの際にも費用がかかるため、その分を残しておく必要があります。

例えば、月々の返済金額を高めに設定した場合、予期せぬ費用がかかると生活を維持できなくなる恐れがあります。また、引越し費用が足りなくなることもあり得るでしょう。

中古住宅を購入する際は必要な金額を全て計算してください。

引渡しまでのスケジュールを明確にする

中古住宅を購入する際は、引き渡しの時期を明確しておきましょう。なぜなら、購入する物件に居住者がいる可能性があるからです。

例えば、居住者がいる中古住宅を購入した場合、直ちに引き渡されるわけではありません。また、場合によっては購入から引渡しのタイミングが数ヶ月あるケースもあるでしょう。購入者は、仮住まいを用意しなければならないこともあります。

中古住宅を購入する人は、引き渡しのタイミングを明確にしておきましょう。

耐震性能を確認する

中古住宅を購入する人は、耐震性能を確認してください。なぜなら、物件に適用されている耐震基準が異なることがあるからです。

例えば、1981年5月までに建てられた物件の場合、旧耐震基準を適用しているため、震度5程度の地震にしか耐えられない構造になっています。一方、1982年6月以降に建てられた物件は新耐震基準が適用されており、震度7程度の地震に耐えられるように改正されました。

旧耐震基準を適用している住宅は新耐震基準のものに比べ、倒壊するリスクが高くなっています。さらに、住宅ローンの控除も利用できません。中古住宅を購入する際は、物件が建てられた時期を確認しましょう。

補助金・減税・控除の対象となるかを確認する

購入した中古住宅は築年数によって、補助金・減税・控除の対象になる可能性があります。買主は購入する物件が補助金等の対象になるのか、事前に不動産会社の担当者に確認してください。

気に入った中古住宅が複数ある場合は、それぞれに適用される補助金等を確かめ、比較する要素の1つにしましょう。

中古住宅の購入時は事前に流れと注意点を抑えておこう

ここまで、中古住宅を購入する時の流れや引き渡し期間・注意点について見てきました。

中古住宅の購入は、注文住宅のように住宅構造からひとつひとつ希望どおりに選ぶことはできませんが、その分、購入から引き渡しまでの期間が短く、購入手続きも比較的スムーズに行えます。一方で住宅の状態や契約内容の確認、費用や控除申請が行えるのかなど、事前に確認しておくべきポイントがたくさんあります。

しっかりと購入の流れと確認すべきことを把握して、契約前から入念なチェックを行うように心がけましょう。

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中古住宅の購入にはリスクがつきものです。築年数が浅いのにコンディションの悪い物件もあれば、古くともコンディションのいい物件もあり、それを正しく見抜くには専門知識や経験が必要です。中古住宅購入の際には、必ずさくら事務所のような第三者機関によるインスペクションをご利用ください。

ホームインスペクター 柴尾 竜也
監修者

さくら事務所 プロホームインスペクター

柴尾 竜也

住宅の販売、仲介、現場施工管理、工事監理と一戸建て住宅に関連する業務に従事。その後、さくら事務所に参画。神奈川県を拠点として東日本に対応。