ホームインスペクションは本当に必要ない?中古・新築の導入タイミングや重要性を解説

  • Update: 2023-05-18
ホームインスペクションは本当に必要ない?中古・新築の導入タイミングや重要性を解説

この記事はプロのホームインスペクターが監修しています

中古住宅の購入を検討しているが、不具合などがあったらどうしよう…と悩まれている人も多いかと思います。

そんな悩みを解決するのがホームインスペクションですが、「契約不適合責任があるから大丈夫。インスペクションなんて必要ないですよ」と、売主・仲介からブロックされるケースがあったり、買主様が、家族とのコンセンサスが取れずに、やむなく断りになるケースも少なくありません。

そのため、中古住宅におけるインスペクション実施については、そのタイミングが非常に重要になるわけですが、結論、ホームインスペクション自体の重要性が高いことには変わりはありません。

今回は、業界実績No.1のさくら事務所が誇るプロのインスペクターが、中古住宅におけるインスペクションの必要性の話から、利用するべきタイミングの話、時期別での買主様が保有している権利まで深堀り解説いたします。ぜひ最後までご覧いただけますと幸いです!

中古一戸建てホームインスペクション(住宅診断)

中古住宅は、新築時点ですでに30〜40%欠陥が…!

過去に、さくら事務所と千葉大学で共同で行った住宅欠陥における大規模研究では、新築時の段階でおよそ30~40%補修検討すべき箇所が存在(経年により発生率は上昇し、築10年以上の物件は約60%)していたことがわかっています。

ホームインスペクションは、雨漏りやシロアリ被害、建物の傾きなどの劣化状況や、新築時の施工不良などについて、建物に精通した専門家のホームインスペクターが診断するサービスです。改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などの改修アドバイスまでサービスに含まれ、物件価格の約0.2%の費用追加でリスクヘッジができるため、元々不具合が多い中古住宅においてのご利用の検討を強くおすすめしております。

インターネット上に、お客様自ら建物の状況を確認するためのチェックシートを見かけますが、やはり一般の方が専門知識をベースに厳密にチェックすることは難しく、また床下・屋根裏を確認することも難しいでしょう。加えて、どの程度の欠陥であれば補修が必要なのか?いつどのくらい改修費用はかかるのか?などの計算も容易ではありません。

そこに対する適切なアドバイスを行うのがプロのインスペクターであり、インスペクションの意義がそこにあるといえるでしょう。

後に詳しく記載しますが、中古住宅の場合、インスペクションを入れるベストなタイミングは『申込み後~契約前』となり、他の時点でも入れることは可能ですが、注意点も多いため、お急ぎの方はまずは一度お問合せください。

ホームインスペクション以外の検査を入れてる場合でも必要!

「我が社は第三者の検査を入れているから」「保険に加入するための検査でしっかりチェックしているから」という理由でホームインスペクションは不要と説明されることがあるでしょう。

しかし、実際は不要とは言い切れない実情をさくら事務所は見てきました。ここからは私たちが経験した事例を交えながら、第三者検査を入れていてもホームインスペクションが必要な理由を解説します。

瑕疵保険によるチェック後でも当社の指摘率は7~8割

現在我が国では新築住宅の購入に際し、瑕疵担保責任・住宅性能表示制度・紛争処理態勢の整備を義務付けた「品確法(住宅品質確保の促進等に関する法律)」と、購入者を保護するための法律「住宅瑕疵担保履行法」が存在します。

住宅に欠陥が見つかった際、本来は施工会社や不動産会社が補修を行うべきです。しかし倒産などにより欠陥の補修ができない可能性もあります。

そこで補修が受けられず、購入者が困らないように瑕疵保険の加入や供託会社へ保証金の供託を売主に義務付けた法律が「住宅瑕疵担保履行法」です。

売主の義務のひとつである、瑕疵保険の加入には工事途中で保険法人の検査が実施されます。この検査が第三者検査として扱われ、安心感を購入者にアピールしているケースが見られます。

しかし瑕疵保険による検査を受けた物件で同様にさくら事務所のチェックを行なった結果、指摘率はおよそ7〜8割でした。

つまり「瑕疵保険の検査があるから安心」とは言い切れないのが実情です。

公的な中間検査が合格でも設計図とのズレが多数

基礎工事や建方工事などの重要な工程では、建築基準法や、その他の関連法規に適合しているかを確認する「建築確認で第三者の検査(中間検査)」が行われます。しかし、建築確認の公的な中間検査が合格であっても設計図とのずれが見つかった事例も存在します。

今回はその事例のひとつをご紹介します。

【事例】投資用小規模マンションの新築工事に当社で新築工事中ホームインスペクション(第三者検査)実施

建築確認の中間検査が合格した日に、さくら事務所で構造検査を実施しました。

すると設計図と違う箇所が多数発覚。施主であるご依頼者から、建築確認に伴う中間検査を実施した会社に、当社の検査報告書を共有したうえで、再確認を依頼しました。

再確認の結果、公的な建築確認の中間検査の合格は取り消しを決定。不備を直したうえで再検査という異例の事態になりました。

施工会社内の第三者チェックは形式上問題がある場合がある

施工会社が依頼して第三者チェックを行なっているケースもしばしば。しかし中には形式上問題がある場合も見受けられます。

たとえば、検査を受けた際に未施工が発見された場合、第三者のチェック機関によっては、未施工部分の写真を後日提出するだけで検査が合格とする形式になっている場合があります。

一見問題ないように感じるかもしれませんが、工事管理者の裁量で良い部分を抜き取り、写真を撮っている可能性もゼロではありません。欠陥を撲滅するという観点からは好ましくない形式と言えるでしょう。

以上のように第三者チェックが行われる場合であっても、必ずしも安心というわけではありません。

もちろん施工会社が信用できないというわけではありません。しかし安心・安全な家を作るには、買主主導でホームインスペクションを依頼し、双方が妥協せずに品質管理を行う環境を作り出す必要があるのも事実です。

タイミングについて、まずは購入から引き渡しまでの流れを確認

ホームインスペクションを行うタイミングは、物件の検討状況により様々です。

まずは中古物件(売主が個人の場合)の購入から引き渡しまでの流れを確認しましょう。

販売会社や、検討している物件がマンションなのか、一戸建てなのかによって多少の違いはありますが、一般的な中古物件における検討から購入、引き渡しまでの流れは、以下のようになっています。

一般的な中古物件の購入の流れ

「物件見学」→「申し込み」→「契約」→→「引き渡し」→「入居」までの流れの中で、どのタイミングでホームインスペクション(住宅診断)を入れたら良いのでしょうか?

タイミング別でのインスペクション利用の特徴

●申し込み前

申し込み前のタイミング

まず、この申し込み前というタイミングについては、当然は契約の前で、おそらく内見に行っただけのような状況だと思われます。かなり早いタイミングとなりますが、この時点でのインスペクションは可能です。

インスペクションの結果、不具合などが見つかり、売主と交渉していくことを考えるかもしれませんが、購入申し込みが多い場合、どの買主を選ぶかは売主の自由ですので、断られてしまう可能性が高くなってしまいます。そのため、インスペクションとしてはベストなタイミングとは言えないでしょう。

●申込み後~契約前

申し込み後・契約前のタイミング

このタイミングが、一番インスペクションに適しているタイミングになります。

契約申込をして購入意思を示して、売買契約に向けた調整も進んでおりますので、売主さん買主さんともに前向きに進んでいるというタイミングです。不具合が見つかった場合に、まだ契約の前ですので、キャンセルすることもできます。

その不具合を修繕してもらうことを売買契約に入れることもできますし、もし直せないような不具合であれば、その分の売買価格から値引きしてもらうことも可能となります。

また、買主側としても見つかった不具合は修繕の必要があるものですので、双方にとってこのタイミングでのインスペクションがベストでしょう。

●契約後~引き渡し前

契約後・引き渡し前のタイミング

契約後でも、売主側で不具合が発覚すれば直してもらえます。

売主が個人の場合、売主の契約不適合責任の期間は3カ月とするのが基本的です。売主が宅地建物取引業者の場合は引き渡しから2年以上の期間が義務付けられています。

契約前にインスペクションができなかったという場合は、3カ月間は契約不適合責任をとりますよという形で契約することが肝心となってきます。

ただし、中古戸建の不動産売買においては、売主さんは基本修繕に限定されています。まずは追完(修繕)請求を行い、それが難しければ代金減額請求、損害賠償請求などに移りますが、実際には交渉が難航する可能性があるでしょう。

また、主要設備以外のクロスであったり、フローリングなどといった部分に関しては、売り主では補修責任は負わないという形で売買契約をすることが一般的です。そのため、契約後から引き渡し前までの間に、売主の過失によるもの以外でクロスやフローリングに不具合を発見したとしても追求ができない可能性が高いでしょう。

事前にしっかりと建物の状態が良く分かっていないと、それがいつの不具合なのかはなかなかわかりづらく、責任があいまいになったり、補修範囲が限定されることになります。

インスペクションのタイミングとしては、一長一短があるのを頭に入れておいてください。

【事例】床下配管から漏水の跡がインスペクションで発見されたケース

この実例の場合、売主さんは、あくまでも原状回復までが義務になるので配管を直しますが、その上にあるフローリングやクッションフロアなどの床部材の修復も売主さんの方でやるのかやらないのか?また、その後買主さんがリフォームをするとしたら費用はどちらが持つべきなのか?などの、責任負担区分が非常に曖昧になってしまうデメリットがあり、このタイミングでは、話がうまくまとまらずにすれ違うことが多くなってしまいます。

引き渡し後~3カ月

引き渡しから3カ月までのインスペクションについては、まずは売買契約の条件をしっかりと確認しておく必要があります。

一般的に雨漏り、シロアリの害、給排水管の故障などは、引渡しから3カ月間は売主側の責任となり、さらに、キッチン、浴室、洗面所、トイレなどの主要設備は引き渡しから7日間だけが責任範囲です。そのため、引き渡しから7日以内にインスペクションを行って、売主さん側に補修の申し出を行う必要があります。

不動産取引におけるポイントは、中古住宅の場合、天井の点検口だったり、床下の点検口が設置されていない住宅があります。そういった住宅の場合、契約前にインスペクションを行っても天井や床下の点検口はチェックできないので、引き渡しから3カ月以内に点検口を設置して、雨漏りやシロアリの害、漏水などを確認することが大事です。

不動産売買上のルールとして、修復に急を要するものを除いて、発生した不具合には売り主さんに立ち会う機会を与えなければいけません。すぐに直そうと思っても売主に現地確認していただいて、売主の利用しているリフォーム会社で修復をしていくという作業になるので、タイムリーに行われるかであったり、費用感であったりなどトラブル要因となってきます。

引き渡し後3カ月超

引渡し後3カ月を超えてしまって不具合が発見されたという場合はどうなるのでしょう?

3カ月を超えてしまいますと、基本的には責任追及することができなくなってしまいます。主要構造部の不具合、雨漏りや主要設備の不具合が出ている場合でも売主側で対応する義務がありません。

このタイミングでインスペクションを行っても、住宅の状態把握はできますが、売主側の責任を追及するということはできないので、無駄になってしまうかもしれません。

ご自宅のコンディションを把握してどこを直したほうがいいかとか、いつどれくらい費用がかかりそうかってチェックのためのインスペクションならいいでしょう。

瑕疵保険対象の期間について

瑕疵保険

「瑕疵保険」とは、中古住宅を購入した後で隠れた不具合により何らかのトラブルが起こったときに支給される保険金のことですが、中古住宅ではすでにこの瑕疵保険に加入しているケースがあります。

新築の場合「瑕疵担保」は義務化されているため、購入者の意思に関係なく付帯してくるものですが、中古物件には瑕疵について保証するものがありません。そのため、購入後に問題が発見されれば、購入者は自費で改修作業をすることになります。

「瑕疵保険」はそのような状況において購入者の負担にならないよう保護してくれるメリットがあるため、事前の加入有無については確認をしておきましょう。

※瑕疵保険について詳しく知りたい方はこちら

※さくら事務所の瑕疵保険について詳しくはこちら

 

瑕疵保険には、売主の契約不適合責任の期間を超えて、保険金でカバーするという機能がありますが、補修は最低限で、10年持つような修繕を認められるかはわかりません。

それこそ、シロアリの被害などは補償の対象外になっていることもあります。保証があるにこしたことはないのですが、トラブルを起こさないという観点が大事です。また、保険があるからチェックなどをせず、契約不適合責任の期間を超えて不具合が見つかると大変なことになってしまいます。

そのため、事前にインスペクションを行い、不具合などがあれば、売買契約でしっかりと解決する選択肢を取ることが効果的です。そうすることで、売主も買主も両方とも安心安全な取引ができますし、そこでリスクヘッジできなかったものが補償や保険のサービスの対象になるというのが正しい使い方でしょう。

新築住宅でもホームインスペクションは重要!

新築の住宅はとてもきれいなものです。不具合なんてないようにもみえます。このため「新築住宅なのだからインスペクションは必要ないのでは」と考えてしまう人もいることでしょう。ですが、新築住宅にもインスペクションは必要なのです。新築住宅といえども不具合とは無縁ではありません。新築住宅の約8割で何らかの不具合が発生しているというデータもあります。建築主事や確認検査機関が発行してくれる検査済証も不具合がないことを保証してくれるものではないのです。新築住宅とインスペクションの関係についてまとめたコラムもありますので併せてご覧ください

業界No.1!経験年数20年以上のプロ集団が提供

さくら事務所は、国内におけるホームインスペクション普及のパイオニア的存在であり、これまでご依頼実績は業界No.1(累計66,000件超)、満足度98%(Google口コミ☆4.8)と非常に有り難い評価をいただいております。

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中古住宅の購入にはリスクがつきものです。築年数が浅いのにコンディションの悪い物件もあれば、古くともコンディションのいい物件もあり、それを正しく見抜くには専門知識や経験が必要です。中古住宅購入の際には、必ずさくら事務所のような第三者機関によるインスペクションをご利用いただくようお願いいたします。

ホームインスペクター 柴尾 竜也
監修者

さくら事務所 プロホームインスペクター
一級建築士

柴尾 竜也

住宅の販売、仲介、現場施工管理、工事監理と一戸建て住宅に関連する業務に従事。その後、さくら事務所に参画。神奈川県を拠点として東日本に対応。