ホームインスペクター 小西 昌太

監修者:小西 昌太

【独自集計】欠陥住宅が多いハウスメーカーは?規模別の不具合指摘率と対策

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【独自集計】欠陥住宅が多いハウスメーカーは?規模別の不具合指摘率と対策

この記事はプロのホームインスペクターが監修しています

これから注文住宅を建てる人にとって、気になる問題のひとつが「欠陥住宅」。
夢のマイホームを想像し、一生分のローンを組んで建てた家が、失敗作だと知ったときのショックは計り知れません。

最悪の場合、欠陥住宅は住む人の人生を大きく狂わせてしまいます。このような結果にならないために、私たちができることは欠陥住宅を建ててしまうハウスメーカーの特徴と、欠陥発生リスクの回避方法を知ることです。

今回は欠陥住宅を建ててしまう可能性があるハウスメーカーの特徴や会社規模別の不具合指摘率、欠陥住宅の実例と対策を紹介します。

欠陥住宅ハウスメーカーランキングはあてにならない

欠陥住宅についてインターネットなどで調べていると、欠陥住宅が多いハウスメーカーのランキングを見かけることがあります。ランクインしているハウスメーカーを検討していた場合は、不安になってしまうこともあるでしょう。

しかし、欠陥住宅ハウスメーカーランキングの情報を鵜呑みにして、ハウスメーカーを決定するのはやめたほうがよいでしょう。 なぜなら、ランキングの根拠となるソースが明らかになっていなかったり集計方法が曖昧だったりすることが多く、信頼性に欠けるためです。

技術や社内体制などは日々進化し改善されています。また悪い口コミがあったとしてもそうなった背景までは当事者同士にしかわかりません。過去の口コミの一部として参考にするのはよいですが、ランキングがすべてではないことを覚えておきましょう。

【独自集計】2024年ハウスメーカー(工務店)規模別の不具合指摘率

全体

大手

準大手

そのほか

配筋(基礎)

59.0%

43.3%

57.1%

65.5%

型枠(基礎)

51.9%

34.6%

44.2%

57.1%

構造(耐震性に影響する部分)

68.3%

53.8%

69.8%

68.3%

防水

63.6%

38.9%

64.1%

66.9%

断熱

60.5%

42.1%

37.9%

67.4%

※さくら事務所調べ

上記の表は、さくら事務所が2024年に行った新築住宅の工事中検査での不具合指摘率です。

結果を見るにあたり、以下を前提とします。

・おもに一都三県のさくら事務所が検査した現場の集計です

・大手とは展示場がある大手8社のハウスメーカー、準大手は大手程ではないが全国展開しているハウスメーカー、それ以外は地元密着型のハウスメーカーや工務店です

大手ハウスメーカーとそのほかを比べると、基礎(配筋・型枠)・構造・防水といった致命的な欠陥になり得る部分の指摘は少ないです。断熱に関しては、全体と比べると指摘率は少ないものの、準大手ハウスメーカーのほうが好成績でした。

相対的にみると大手ハウスメーカーの指摘率は少ないですが、そんな大手ですらいずれの項目も3~5割を超える指摘があったため、決して安心できる数値とは言えないでしょう。

下記動画でも本統計結果について詳しく解説しています。

 

ローコストなハウスメーカーは欠陥住宅が多い?

ローコスト住宅を建てるハウスメーカーだからといって、欠陥住宅が多いとは言い切れません。ローコストなハウスメーカーの場合、欠陥住宅になりやすいかどうかは、現場監督の腕にかかっています。 ローコストな理由のひとつとしてあげられるのが、役割分担(職種)が少ないことです。 ローコストでないハウスメーカーには、営業・設計・現場監理・営業アシスタント・本社の検査担当など多くの職種があります。その分関わる人も多く2重3重チェックができる体制が整っています。 一方、ローコストなハウスメーカーや工務店は、営業・現場監理・本社機能など関わる職種が少ない傾向です。その分現場監督がカバーする範囲が広く、チェック体制もあまくなってしまいます。 ローコスト住宅のハウスメーカーでも、現場監督が優秀であれば欠陥は生じにくいです。しかし、実力が伴っていなかったり、同時に何棟も抱えていて忙しかったりする場合は、ミスが起きやすく欠陥に気がつかずに進めてしまう可能性が高くなります。

実際にあった致命的な欠陥事例

工事途中の検査など早い段階で見つかった欠陥やあとから直せる軽微な不具合は、それほど大きな問題になりません。

しかし気がつくのが遅れると、そのときにはもう簡単には直せない致命的な欠陥もあります。

ここでは実際にあった致命的な欠陥の事例を3つ紹介します。

・基礎の人通口がなかった

・窓の高さが違った

・断熱材の入れ忘れがあった

順に見ていきましょう。

下記動画でもわかりやすく解説しているため参考にしてください。

 

基礎の人通口がなかった

「人通口」とは、基礎に設けられた開口部のことです。

基礎を点検するために人が出入りしたり、空気を通して湿気が留まるのを防いだりする役割があります。

基礎を作る際には配筋を通してコンクリートを流し込みますが、人通口になる部分は避けます。しかし、人通口を設けるはずの位置に配筋が通っていて、コンクリートで基礎の壁をつくる状態になっていたのです。

基礎が完成してから人通口を設けるとなると、床にもう1カ所点検口を増やしたり、基礎の立ち上がり部分に穴を開けたりしなければいけません。

リビングなどに点検口を増やすことになると目立ってしまいますし、基礎の立ち上がり部分に穴を開けると強度が下がってしまいます。

住宅の土台ともいえる基礎の欠陥は致命的です。

窓の高さが違った

構造の検査で窓の高さが間違っていることがわかりました。

構造検査では、柱・梁・筋交いなどの部材を緊結する金物の有無などを確認します。

窓の高さは構造に直接関係するわけではありませんが、このタイミングで気がつきやすい欠陥です。

この段階ならまだ修正がききますが、竣工後に窓の高さを変更するとなると、周辺の柱などの部材や壁を壊さなければいけません。

また、窓周りなどの開口部は雨水が浸入しやすい場所でもあるため、窓の高さを変えることで雨漏りリスクも高めてしまいます。

断熱材の入れ忘れがあった

天井の一部分に断熱材を入れ忘れていた事例もあります。

断熱材は柱が見えている段階ではめ込んでいくため、入れ忘れがあったら気がつきそうですが、そうとも言えません。

1階と2階で大きさや形が違ったりL字型になっていたりする住宅は、断熱材の入れ方が複雑になり見落とされやすいです。

あとから天井に断熱材を入れるとなると、天井を壊す必要があり、壁紙も張り替えることになります。

壁紙は同じ品番でもロットが違うと色が変わって見えるため、1面で張り替えるなど工事の範囲が広くなってしまうのです。

下記記事ではほかにも多くの欠陥事例を紹介しているため、参考にしてください。

「新築工事の時点で8割に欠陥が!?工程・タイミング別チェックポイント」

欠陥住宅になりやすいハウスメーカーとは?

結論からいうと、具体的な特徴は以下の通りです。

  • 着工戸数が多い
  • 職人・現場監督が足りていない
  • 施工を丸投げする
  • なんでも引き受ける
  • オープン工法を用いている

それぞれ詳しくご紹介します。

着工戸数が多い

ハウスメーカーがどれだけ品質にこだわっていても、人の手で作り上げる住宅はどのハウスメーカーも一定の割合で欠陥が発生してしまいます。

そのため着工戸数が多いほど、欠陥の数自体(割合ではなく戸数)も多くなります。

しかし多くのハウスメーカーは工業化を進めており、構造体の欠陥など、致命的なものは発生しにくくなっているのも実状です。軽度な欠陥であれば、補修対応を依頼すれば解決するため、欠陥が多いと言われているからといって敏感になりすぎる必要はありません。

とはいえ、着工戸数が多いがゆえ、工期短縮(速さ)が最優先になっている契約だったり、見積書が簡略化(「一式」など曖昧な表現の多用)されていたりする場合には、欠陥の発生や見逃しが生じやすいため注意しましょう。

職人・現場監督が足りていない

着工数が増えていて売り上げが右肩上がりなのに、職人や現場監督が増えていない場合は、時間的に余裕がなく不具合やミスが起きやすい状況になっているといえます。

また現場監督が忙しく不在にすることが多いと、現場管理の乱れ(現場汚い、挨拶しない、喫煙等)にも繋がりかねません。施工品質にも悪影響を及ぼします。

求人情報サイトなどでつねに「急募!」と求人している場合は、職人や現場監督が足りていないことを推測できるため、注意しましょう。

施工を丸投げする

ハウスメーカーの施工体制には管理も含め、すべて下請けに依頼する「丸投げ」という体制があります。

丸投げ施工は欠陥のある建物になる可能性が高くなります。なぜなら丸投げ施工を依頼された下請け業者は、「もらった代金に対して利益を生み出したい」という気持ちが働くためです。

利益を優先するあまり「元請けがうるさくないから、早く仕事が終わるやり方で進めよう」と考えてスピード重視で進め、品質がなおざりになる恐れもあるでしょう。

その状況に対して元請けがしっかり管理・指導を行えば対処できるのですが、丸投げですから欠陥に気づくことなく建物が出来上がってしまう訳です。

なんでも引き受ける

「どんな構造の家も建築可能!」「なんでもお任せ!」などを謳っているハウスメーカーは注意しましょう。

住宅には在来木造、2×4、RC造、鉄骨造などさまざまな構造があります。そして、それぞれの工法には施工方法・品質管理・法規などが詳細に定められています。

そのため工事を行う職人さん達はもちろん、工事を管理する現場監督にとって、一つの工法に対する知識や経験は、建物の仕上がりに影響する重要なポイントです。

後悔しない家づくりをしたいならば、家づくりのなんでも屋でなく、一つひとつにこだわりを持ったハウスメーカーを選びましょう。

オープン工法を用いている

オープン工法とは、手作業の領域が多い在来軸組工法やツーバイフォーなどを指します。

工場である程度部材を作成して現場では組み立てるだけ、といったプレハブ工法(クローズド工法)と比べて属人的な作業が多くなるため、ミスや不具合が起きやすいです。

しかしオープン工法は設計や施工が公開されており「施工会社以外でもメンテナンスできる」「リフォームの自由度が高い」といったメリットもあります。

オープン工法・クローズド工法、どちらでも欠陥は生じているため、オープン工法はだからだめ!というわけではなく、欠陥が多くなりやすい傾向があることを知ったうえで対策しましょう。

 

欠陥住宅の対策にはホームインスペクションが有効

欠陥住宅になりやすいハウスメーカーには特徴がありますが、欠陥住宅の心配がない!と言えるハウスメーカーはありません。

どのハウスメーカーで建てるにせよ、欠陥住宅を防ぐには、工事中や竣工後にホームインスペクションを入れるのが効果的です。

自分でチェックするのも大切ですが、数多くの住宅を検査してきたプロだからこそ見つけられる欠陥もあります。

とくに工事中のホームインスペクションは、完成後には発見できない基礎・構造など建物の重要箇所を検査できることから、致命的な欠陥を防げます。

またホームインスペクションを入れることで、ミスの抑止にも繋がり施工品質も向上も期待できるでしょう。

欠陥だけでない!ハウスメーカー選びのポイント

新築住宅を建てる時に気を付けたいのは欠陥だけではありません。

具体的には以下4つのポイントがあります。

  • 営業担当を信頼できるか
  • 保証内容やアフターサービスが充実しているか
  • 耐震性の高い住宅を建てられるか
  • 断熱性の高い住宅を建てた実績があるか

それぞれ詳細を見てみましょう。

営業担当を信頼できるか

注文住宅を実際に建てた方々の多くは、最終的には信頼できる人かどうかで選んでいます。このことは実際のデータからも明らかです。

令和6年度の住宅動向調査によると、注文住宅取得世帯において、住宅の選択理由としてもっとも多かったのは「信頼できる住宅メーカー/不動産業者だったから」という理由でした。

出典)国土交通省 住宅局「令和6年度 住宅市場動向調査報告書 P22

 

施主が信頼できるかどうかは、営業担当者との関係性で決まります。なぜなら営業担当者はあなたと住宅会社の各スタッフを繋ぐ役割を担っているからです。

営業担当者とは初顔合わせから工事中、引き渡し、引っ越し後まで、ずっと付き合いが続きます。もちろん家づくりには設計、インテリア、エクステリア、工事監督など、さまざまな人が携わります。しかし、関係者間のスケジュール調整や、施主からの要望ヒアリング、見積もりの確認やローン関係などの重要な役割は営業担当者が担う場合がほとんどです。

窓口的な役割を担う営業担当の信頼性は、満足度の高い家づくりを実現するのに必要不可欠な点と言えるでしょう。

保証内容やアフターサービスが充実しているか

保証内容やアフターサービスの充実度も家づくりにはとても重要なポイントです。
マイホームを購入する方の多くは、老後まで快適に住める家を求めていることでしょう。長く暮らす中で不具合や、設備機器などの故障トラブルは必ずついて回ります。
そのような時に満足度に差が生まれるのがアフターサービスの質です。せっかく満足していた建物でも、引き渡し後は相手にされない、返答が遅いなどが続くと不満が募っていきます。

その結果、こんなはずではなかったと後悔することも考えられるでしょう。

長く快適に暮らすマイホームを実現するには、アフターフォローに力を入れているかをしっかり見極めるのが良いでしょう。

耐震性の高い住宅を建てられるか

日本は地震大国と呼ばれているほど、地震が頻繁に発生します。

そのため日本での家づくりにおいて「耐震性」の高さは必ず確認しておきたいポイントです。

とはいえ家の耐震性能を外見から見極めるのは至難の業です。そこで我が国では法律に基づいた住宅性能表示制度で耐震等級を定め、耐震性能を見える化しています。

耐震等級は1から3まであり、等級1は建築基準法の耐震基準をクリアしているということで、数字が増えるにつれて耐震性が高まります。

どれほどの耐震性能かどうかは近年の震災データを見れば一目瞭然です。

震度6以上の余震が複数回発生した2016年の熊本地震を見てみると、耐震等級3の木造建物の倒壊はゼロという結果でした。

出典)国土交通省
「熊本地震における建築物被害の原因 分析を行う委員会」報告書のポイント」p.5

被災後もなるべく軽微な修繕で住み続けられる住宅を求めるのであれば、耐震等級3の家を建てるべきでしょう。

断熱性の高い住宅を建てた実績があるか

断熱性も耐震性と同様に住宅性能表示制度による等級があります。等級は7段階あり、数字が大きいものほど高い断熱性能を有します。

断熱等性能等級について詳しく知りたい方は、ぜひ下記コラムもお読みください。
断熱性能等級とは?「断熱性」を比較する基準と新設の等級6・7も解説 – さくら事務所

断熱とは家を魔法瓶のような構造にする役目を持ちます。これにより夏は暑さを、冬は寒さを家の中に伝えにくくします。結果として冷暖房による消費エネルギーの節約が可能です。

加えて断熱性能は高血圧の改善や、運動量の増加、ヒートショック防止など人の健康に大きく影響します。

最近になって高断熱の住宅を建てるようになったハウスメーカーではなく、これまでに多くの高断熱住宅を建ててきた実績があるハウスメーカーだとより安心です。

どのハウスメーカーでも欠陥はある!ホームインスペクションで対策しよう


どのようなハウスメーカーを選んでも、欠陥住宅にならないとは言いきれません。

ホームインスペクションを活用すれば、欠陥は防げます。「欠陥住宅ランキングで上位だから」「欠陥住宅だったという口コミがあったから」などの理由で、ここで建てたい!と思ったハウスメーカーを諦める必要はありません。

さくら事務所では年間3,000件以上の豊富な調査データを活用し、業界20年以上のベテランが指導する体制のもと、ホームインスペクションを行っています。

工事中から竣工後の検査までご希望の検査項目を自由に組み合わせられるため「防水だけお願いしたい」「予算内でできる検査をお願いしたい」という方にもおすすめです。

欠陥の調査だけでなく、幅広い住宅のお困りごとへのアドバイスも可能ですので、お気軽にご相談ください。

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ホームインスペクター 小西 昌太

監修者小西 昌太

基本スタンスでもある「第三者性、中立性、客観性」を最大限に活かしたコミュニケーションを心掛け、可能な範囲で建物の現状をより多くの人へわかりやすく伝えられる「住まいの良き翻訳者」を目指します。

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